タマスの心は暗闇と無明だがいつでも変えられる

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「プラクリティ」はアーユルヴェーダでは「生まれた時に決まる体質」を意味しますが、もともとのヴェーダ哲学では宇宙の物質の源である「根本原質」を意味します。タマスは根本原質の一つです。停止・停滞の働きをします。私たちが夜ちゃんと寝られるのはタマスのおかげ。休息できるのもタマスの働きです。タマスがなければ夜中もギラギラに活動する人になってしまいます。

しかし、心のトリグナ(心の3つの機能的質)の視点からタマスをみると、もうミもフタもありません。タマスは停止・停滞の根本原質なので、心がタマスに傾くと暗闇と無明に落ち込んでしまいます。無明とは無知のこと。無明という言葉は仏教用語ですが、もともとのサンスクリットでは「avidyā」といい、無知を意味します。

アーユルヴェーダが言うタマスの特徴はボロカスです。無知、怠慢、恐怖心、記憶力悪い、無感動、思いやり欠如、厚顔、不道徳、暴力的、頑迷、無神経、無規律、向上心欠如、食べ物・酒・セックスのことで頭がいっぱい、惰眠を貪る、不正直、健康無視、宗教心の欠如、改善意欲ゼロの割に文句たらたら、体を動かしたくない、ジャンクフード好き・・・これでもかというくらいのタマスの特徴の列挙です。『バガヴァッド・ギータ』には「タマシックな人は腐ったものが好き」と書かれています。ぼろくそです。

この記事のグラフィックのセリフをご覧ください。

男性:どうして地球はこんなにも暴力的な場所になったのだろう?
女性:それはタマシックな人が増えたからよ。

ここまでボロカスに言われると「タマシックな人にはなりたくない」と思っちゃいますね。思うけれども、どこでどう間違って自分がタマシックにならないとも限りません。日々、サットヴァに近づくように心して行動しなければなりません。

生まれてくる赤ちゃんは皆純粋で清らかな顔をしています。だから私は「生まれたときにはだれもがサトヴィックな心をもっているけれども、生きていく上での諸要因によってタマシックになる」と思っていました。しかし、ドクター・パルタップは「生まれたときからタマシックな人はいる」と言いました。えーっ!そうなの⁈それは絶望的だ!

しかし、ドクター・パルタップは「食べ物や行動によりタマシックからサトヴィックな心に変えられる」と言いました。心のグナはいつでもサットヴァに変えられるのです。手遅れということはありません。生涯変わらない体のプラクリティと違う点です。

アーユルヴェーダ的な人生を歩むためにはサトヴィックな心をもつよう努めることが大事です。みんながこの努力を続ければ、世の中は暴力の少ない平和な場所になるはずです。

ジヴァジャパン・アーユルヴェーダ・オンラインカレッジ

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