アーユルヴェーダからみた糖尿病

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糖尿病は健康面からみて世界的な大問題です。世界保健機関(WHO)は世界人口の約6%が糖尿病に罹っていると推定しています。インドは糖尿病大国。砂糖の摂りすぎが一因だと思います。インド人は砂糖をたっぷり入れたチャイが大好き。甘いチャイは乾燥したインドの風土にぴったり合うのです。それから遅い夕食ですね。インドの家庭では7時ごろスナックを食べてゆったりしたあと10時ごろ夕食を食べるのが一般的だそうです。全然アーユルヴェーダ的ではありませんね(笑)。日本でも糖尿病は国が定める重要疾患のひとつです。

糖尿病は慢性病ですが、アーユルヴェーダのケア法を取り入れることによって糖尿病をコントロールすることができます。

アーユルヴェーダでは糖尿病は「Madhumeha」と呼ばれます。「madhu」は甘味・はちみつの意味、「meha」は排尿の意味です。つまり、Madhumehaは「はちみつのような甘い尿がでる病気」ということです。アーユルヴェーダは糖尿病を2つに大別しています。

(1)遺伝的(Sahaja)糖尿病:若年層に起きるインスリン依存型糖尿病です。現代医学におけるI型糖尿病に似ています。

(2)後天的(Apathaja)糖尿病:不健康な生活習慣や肥満に伴う糖尿病です。II型糖尿病に似ています。

糖尿病は遺伝的要因だけでなく、座りっぱなしの生活、不健康な食習慣、過剰な睡眠、肥満、ストレス、不安感など生活習慣要素にも関係しています。こうした要素はカファドーシャとメーダダートゥ(脂肪組織)のアンバランスを招き、スロータスをつまらせ、その結果、オジャスは尿を通して体外に漏出します。それが糖尿病です。

糖尿病の代表的な症状は以下のとおり。

●のどの渇き
●過剰な尿
●体重減
●慢性疲労
●強い空腹感
●傷の治りにくさ
●目のかすみ

糖尿病のアーユルヴェーダ的治療と管理

予防は治療に勝る!糖尿病も例外ではありません。前糖尿病は、血糖値が正常値よりも高いけれども糖尿病に分類されるまでは高くない状態のことを言います。いわゆる糖尿病予備軍です。この段階での管理が重要です。正真正銘の糖尿病になってしまうと、心臓病、神経損傷、腎臓疾患、目の疾患、聴力低下、傷の治りにくさといったさまざまな合併症を心配しなくてはならなくなります。

糖尿病の予防方法

バランスのとれた食事:必須栄養素、ビタミン、ミネラルが豊富な食べ物を食べましょう。ジャンクフード、砂糖を使った食べ物、加工食品は避けること。にんにく、玉ねぎ、ゴーヤ、ほうれん草、バナナ、ブラックプラムがおススメ。ゴーヤは料理でも良し、ジュースでも良し(苦い!)。フェヌグリークティーも血糖値を下げます。フェヌグリークティーはフェヌグリークシードを煎じて作ります。

定期的な運動:少なくとも1日30分の運動を週4-5日行いましょう。運動によって糖尿病に罹るリスクは80%低減すると言われています。ウォーキングやジョギングで十分。ヨガのアーサナではパシチモッタナアーサナ(座った前屈のポーズ)、ハラーサナ(すきのポーズ)、ブジャンガサナ(コブラポーズ)、シャラバーサナ(バッタのポーズ)、ダヌラーサナ(弓のポーズ)などがおススメ。インスリンの分泌を刺激します。プラーナヤーマ(呼吸法)ではナディショーダナ(片鼻の呼吸法)やカパラバティ・プラーナヤーマがおススメ。毎日行いましょう。

十分な睡眠:細胞を若返らせ、病気を予防するためには6-8時間の睡眠が必要。昼寝はよくありません。

ストレスマネジメント:ストレスは糖尿病をはじめとする多くの病気を誘発します。慢性ストレスは糖尿病の原因となり、前糖尿病において急激な血糖値の上昇を招きます。プラーナヤーマは心をリラックスさせ、ストレスを緩和します。自分のための時間をとりましょう。

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