野菜が健康に良いのは毒だから

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医学博士で東京医科歯科大学副学長である古川哲史さんが興味深い記事を書いています。お時間があるときに読んでみることをおススメします。「食、運動、睡眠、ストレス…新型コロナも遠ざける「免疫力」を高める新常識」というタイトルです。

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苦味を食べると細胞が軽いストレスを感じ、それがストレス耐性を高めるのだそうです。強いストレスにも耐えられる力がつくのですね。これは初耳です。常日頃、軽いストレスは必要なのです。

これは、日本人はなぜ欧米人に比べてコロナに感染しにくいのかという仮説に似ています。ほとんどの日本人はつねにマスクをつけています。マスクをつけていても感染しない程度の少量のウイルスは呼吸器系に入ってきます。この少量のウイルスによって自然に免疫力がついているのではないかという仮説です。野菜の苦味ストレス論と似ています。

野菜の苦味が毒であることはよく知られています。なんのために野菜は苦いかというと、この記事で説明されているように、害虫が寄ってこないように野菜が身を守るための方法なのです。苦味が強いほど毒が強いのでわが身を守る武器になります。子供が野菜嫌いなのは、本能的に苦味が毒であることを体で察知するからだという見解があります。

この点において日本の野菜はヤワです。土壌に水分がたっぷりあるし、農薬も多用されているので、敵である害虫からの攻撃も抑えられています。だから日本の野菜はぬるま湯に浸かった状態だとか。だから日本の野菜は苦味が少ないのです。

翻って、インドの野菜の環境は過酷です。土壌は乾燥しているし、太陽の熱はジリジリ。害虫の攻撃も半端ありません。だからインドの野菜は苦味が強いのです(過酷な環境の野菜はインドに限らずどこでもそうです)。その分、毒が強いので、それを食べた人間の細胞へのストレス度合いも高いはず。細胞のストレス耐性が一層高まり、結果的に健康へのプラス効果が高くなるということです。

アーユルヴェーダは、毎食、六味を摂ることを勧めています。これがアーユルヴェーダ食の基本です。六味とは甘味、酸味、塩味、辛味、苦味、渋味。

苦味は体力をつける効果はありません。一番体力をつける味は甘味です。お米とか小麦です。ハチミツやデーツも甘味なので体力をつけます。牛乳も甘味です。苦味は体力をつけるわけでないけれども、体内毒素(アーマ)を排出する効果があると言われています。余分な水分も取り除きます。

外部から毒をとり込むことによって体内の毒素を排出しているのです。文字通り「毒をもって毒を制する」です。古代のアーユルヴェーダのリシ(賢者)たちは、苦味が毒性を持っていることを知っていたのでしょう。冬眠から覚めたクマが真っ先に苦味の山菜を食べるのも、苦味の毒性によって冬眠中にたまった体内毒素を取り除くためです。自然の営みは神そのものです。

★ジヴァ・アーユルヴェーダドクターによるオンラインコンサルテーション

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