アーユルヴェーダは知性から始まる

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はっきり言って、伝統的なインドの考え方は甘っちょろくはないなぁと思います。某国の為政者のように、国としてたいしたコロナ感染対策を講じなくても、なんとなく神風が吹いてコロナを消散してくれるだろう、という甘い考えはありません。

「すべてのカルマの結果は自分が負う」というのがインドの考え方です。ここで言うカルマとは、前世の悪業という意味ではなく「行い」という意味です。すべての行いの結果は自分が負う、ということですね。甘い物や高カロリーの物を連日食べ過ぎれば太ってきます。すべてのカルマの結果は自分が負う、つまりカルマ(行い)の結果です。ヴァータ体質の人が冷たい氷入りのドリンクばかり飲んでいると、ヴァータが増悪して関節炎になったりします。カルマ(行い)の結果です。

インドは伝統的に「知性と知識が最も大切」と考えます。これも、インドの考え方は甘くはないなぁと思う理由です。宇宙の創造において根本原質(プラクリティ)と純粋精神(プルシャ)が融合して知性が生まれたのですから、知性がなによりも先に生まれたのです。知性第一!

アーユルヴェーダも知性に基づいています。病気の根本原因の一つは「プラッギャーパラーダ」つまり「知性の間違った使い方」です。ここでも知性か!

今は真夏です。暑いです。しかし連日、豚骨ラーメンを食べ、激辛カレーを食べ、チャイを飲み、酸っぱい物をたくさん食べたとします。やがてピッタが増悪してきます。口のまわりや首に吹き出物ができたりします。

これは「知性の間違った使い方」です。「あなた、知性を使ってないじゃない!」というわけです。カルマの結果です。厳しい!

現代医療は患者にとってはラクチンです。吹き出物ができてクリニックに行けば、軟膏をくれます。それを患部に塗ることは簡単です。それでも治らなければまたクリニックに行って「よくならないんですけど」と言えば、さらに強い軟膏が処方されます。知性を使う必要がないのでラクなのです。

その点、アーユルヴェーダは自分の知性を使うことを求めます。厳しいし、めんどくさいですよね。

しかし、知性を使って体調不良を改善するということは、自分で自己コントロールできるということです。人に頼る前に自分で管理できるということは、自分の命を大事にすることです。

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