人とつながるソーシャルキャピタルは寿命を延ばす

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いきなりクイズです。次の4項目を「要介護発生率」の低い順に並べ替えてください。「要介護発生率」とは要介護になった率のことです。

1.運動サークルに参加し、運動をきちんとする
2.運動サークルに参加せず、運動もしない
3.運動サークルに参加せず、一人で運動をする
4.運動サークルに参加するが運動はしない(仲間とおしゃべりばかりしている)

普通に考えると、「1.運動サークルに参加し、運動をきちんとする」が最も要介護になるリスクが低いように思われます。その通りです。最もリスクが高いのは常識的に考えて「2.運動サークルに参加せず、運動もしない」でしょう。その通りです。では3.4.はどちらがリスクが高いでしょうか。

研究からわかったことは以下のとおりです(要介護発生率のリスクが低い順)。

1.運動サークルに参加し、運動をきちんとする
4.運動サークルに参加するが運動はしない(仲間とおしゃべりばかりしている)
3.運動サークルに参加せず、一人で運動をする
2.運動サークルに参加せず、運動もしない

なんと、「4.運動サークルに参加するが運動はしない(仲間とおしゃべりばかりしている)」群のほうが、「一人でもくもく運動している」群よりも要介護発生率が低かったのです。つまり、一人でもくもく運動するより、仲間と集まっておしゃべりするほうが元気を維持する効果が高いのです。人とつながることが元気をもたらしてくれるのです。この「人とのつながり力」を社会的資本(ソーシャルキャピタル)といいます。ソーシャルキャピタルはアーユルヴェーダのなかにも存在していると思います。

アーユルヴェーダは・・・

自分との調和(スワスタ)
家族との調和
自然との調和
社会との調和

・・・を目指します。

「人とのつながり」は「社会との調和」と同義語でしょう。アーユルヴェーダはオイルマッサージだけでなく、「人とつながること、人にやさしくすること」でもあります。アーユルヴェーダは社会的資本(ソーシャルキャピタル)の一つの形態だと思っています。

ただ、ソーシャルキャピタルは同じ価値観をもっていない人を排除するという負の側面もあります。白湯を飲まずに冷たい水ばかり飲んでいる人を「あの人ダメね」とか、体調不良になったときに化学薬品を使用する人に対して「そんなクスリを飲むから治らないのよ」と言ったり。仲間以外を排除することは正しくありません。氷入りの飲み物しか飲めないと主張する人がいるなら、「なぜ氷入りの飲み物しか飲めないと思うのか」と聴いて、決して排除しないことがアーユルヴェーダ的であると思います。

コロナの蔓延が危惧されるいま、アーユルヴェーダを理解し、アーユルヴェーダ的生き方を実践したいと思っている人こそ、社会的資本(ソーシャルキャピタル)の大切さを認識してほしいと思います。

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