人間は人と離れて暮らせるのか?

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1カ月半ぶりに電車に乗りました。非常事態宣言が発動される前日、「これはマズイ」と思って美容院に行きました。それ以降、電車に乗っていなかったので、今日、電車の時刻を調べるために乗換案内のアプリを開くと、その日のままになっていました。久しぶりに電車に乗ると異国に来たような感じでした。髪がボーボーになっていたので、宣言が解除された今日、美容院に行ってきたのですが、美容院周辺のお店はかなり臨時休業していました。「世の中たいへんだ」と思ったのでした。

うちの近所の商店街はテレビの情報番組で取り上げられるほど混雑しています。もともと大賑わいの商店街なのですが、コロナ騒動が始まってから、なぜかさらに人出が多くなり、スーパーに行くのがコワい!と思うほど。そのため食品の購入は5日に1回程度にとどめています。それと比べると都心の商業地は閑散としていて驚きました。

非常事態宣言が解除されたとは言え、ウイルスが消えてなくなったわけではないので、三蜜は避けなければなりません。フィジカル・ディスタンスも考慮しなければなりません。もとの生活には戻れないだろうとも言われています。たしかにコロナのトラウマが薄れるまでは飲食店や混み合う場所に行くことには抵抗感が続くと思います。オンラインでなにかを学んだり、オンライン飲み会のニーズも高まるでしょう。リモートワークも進むでしょう。

しかし、人と直接会わないことに人間は満足するでしょうか。人間は社会的動物です。人間社会は群れで暮らして発展してきました。人と身体的に離れて暮らすようにはできていないのです。アフターコロナの社会でも人と離れて暮らすことが求められるとすれば、メンタル不調が増えるかもしれません。

人間の過ちは、人口増に伴って、農地を拡大するために森林をむやみに伐採してきたことでしょう。それにより動物が少なくなり、宿主を失ったウイルスが人間を新しい宿主として鞍替えしたのです。人と身体的に離れて暮らすことが根本的な解決策ではありません。

アーユルヴェーダの古典教本である『チャラカ・サンヒター』には、疫病の原因は土地の異変、水の異変、天候の異変、季節の異変にあると書かれています。数千年も前にこんなことが書かれていたとは驚きです。人間は昔からこうした過ちを繰り返してきたのですね。近代以降、この過ちは加速してきました。いまコロナの感染者数が世界2位になっているブラジルは、商業目的のためにアマゾンの森林を無謀な方法で破壊してきました。

コロナ禍のもとでアーユルヴェーダが注目されているのは、アーユルヴェーダが自然と調和のとれた暮らしを大切にしているからだと思います。アーユルヴェーダの基本は調和です。自然との調和、自分との調和、家族との調和、社会との調和です。相手を暴力的に破壊するのではなく、調和のとれた関係性が健康の基本だと教えてくれます。これからの人間の暮らし方は、身体的な分離ではなく、自然を含めたすべての存在との調和が大切になるだろうと思います。だからアーユルヴェーダが必要なのです。

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