コロナ不安の中で心を健康に保つアーユルヴェーダ的方法

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昨年1月。春頃にフランスに行くかもしれない所用があったので、パスポートを更新しました。新しいパスポートは全ページに葛飾北斎の絵が印刷してあります。それはさておき、その時点ではフランスに行く気満々でした。まさか、そのあとすぐに世界をパニックに陥れる事態になるとは思いもしませんでした。こんなに長期にわたるパンデミックを予想した人は多くはなかったでしょう。

春になると、「ウィズコロナ」とか「新しいライフスタイル」とかいう掛け声とともに外出自粛が求められるようになりました。在宅勤務や在宅授業を強いられた人々は孤独に陥り、不安や悲しみに沈む人が増えていることが報道されるようになりました。いまなお孤独感、経済不安、健康不安に悩んでいる人は数多くいます。コロナ禍を元気に生きるためには体と心を強く保つことが必要です。

ジヴァ・アーユルヴェーダのドクター・パルタップ・チョハンは、体と心を強く保つ方法を教えてくれています。「アーユルヴェーダの実践はシンプルだけれど、定期的に行えば体と心に大きな効果を与える」と言っています。どんなことを勧めてくれているでしょうか。

食事に心を集中させる

健康を維持する上で食事の大切さは認識されていても、ストレスや不安感が消化に影響することを認識している人は多くはないと思います。緊張している時には、食べていても気はそぞろ。その結果、消化液の分泌が阻害され、消化に関する問題が起きやすくなります。食べたものはやがて毒素(アーマ)になり、体の健康や心身の満ち足りた感じが失われることになります。

アーマが長期的に蓄積されると、生活習慣病や慢性病の原因となります。そう考えると、適切なストレス対策と適切な食事の大切さが理解できます。食べ物の栄養効果やエネルギーは、食べる人の心理状態から影響を受けます。静かな環境のもと、静かな心とリラックスした体で食事をするよう心がけることが大切です。

心をクリアにする

よくないと思っていながらも止められない悪習慣はだれにでもあるものです。これを「プラッギャーパラーダ」と言います。「知性に対する罪」という意味です。たとえば、炭酸飲料は健康によくないとアーユルヴェーダでは言われていますが、なかなか炭酸飲料を止められません。その結果、体重が増えたり、虫歯ができたり、いろいろな健康問題を引き起こします。炭酸飲料はヴァータを乱しますよ。

同様に、コンピューターやスマホのスクリーンを長時間見続けたり、ネガティブな情報にアクセスしすぎたりすると、不安や恐怖といった負の感情を強め、やはり健康を阻害することになります。こうした事態を避けるためには、心を透明にし、心を静かに強くする良い習慣を身につけることが大事です。ヨガ、笑いヨガ、プラーナヤーマ、ポジティブな音楽を聴く、将来に希望が持てるような本を読む、ハーブを育てる、などいろいろな方法がありますね。

ヨガニードラ

ヨガニードラは、シャバ―サナをとっている間にヨガティーチャーが体の部位名を言い、そのとおりに自分の意識をその部位に集中させる方法です。脳は覚醒と睡眠の中間にあるような状態が続き、心を静めるとともに、ヨガニードラのあとには質の高い深い眠りがもたらされます。ネガティブな感情は薄れていきます。同時に体も若返ります。

数年前、夫とインドのジヴァ・アーユルヴェーダに行ったとき、オイルバス(ピジチル)を受けました。文字通り、体に温かいオイルをドボドボかける療法です。これ以上心地よい療法はないかもしれません。体と心はもうトロトロ。眠い~。という状態なのに、ジヴァのトップの人(ドクター・パルタップのお兄さん)が夫と私をヨガルームにつれていきました。ヨガニードラをするとよいと言うのです。オイルバスで体も心もトロトロなのに、ヨガニードラをするともうだめ。トロトロ・トロトロ。しかしヨガニードラは眠ってはだめなのです。起きていて、脳を覚醒と睡眠の中間にしなければなりません。もう、そのツライこと!(笑)。ヨガニードラを終えたあとの至福感は何事にも代えがたいものでした。

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