アーユルヴェーダ料理の大切な要素はドーシャに影響する食べ物の味

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アーユルヴェーダにおいて、またアーユルヴェーダクッキングにおいて、食べ物の(舌で感じる)味は最も重要な要素の一つです。アーユルヴェーダでは、食べ物の味は全部で6つあるとされています。

料理をするとき、材料の味の組み合わせが調和していれば、どんな食べ物も体の栄養になると考えられています。「どんな食べ物」と言っても、添加物がたくさん入った工場由来の食品や、農薬たっぷりの食材はその限りではないとは思います。古代にはそんな食べ物はありませんでしたから。「どんな食べ物」というのは、ナチュラルな食べ物という意味です。

健康とドーシャに影響するナチュラルな食べ物のラサ(舌で感じる食べ物の味)についてみていきましょう。

六味

舌で感じる食べ物の味を「ラサ」と言います。ラサには6つあります。甘味(マドゥラ)、酸味(アムラ)、塩味(ラヴァナ)、辛味(カトゥ)、苦味(ティクタ)、渋味(カシャヤ)です。ラサも五大元素からできているので、ドーシャに影響を与えます。毎食、六味をとると、ドーシャのバランスを整えます。と同時に、ヴァータ、ピッタ、あるいはカファが増えている場合には、それを鎮めるために味のコントロールが必要になってきます。

甘味(マドゥラ)

甘味は重性、油性、冷性です。少量の甘味をとると、体にエネルギーと活力を与え、灼熱感を静め、肌と髪の毛にプラスの効果を与えます。ヴァータのバランスをとり、ピッタを鎮めます。一方、甘味の摂りすぎは、カファドーシャを増悪させ、つまり、咳、重さをもたらします。

甘味の食品の例:牛乳、乳製品(バター、ギー、クリーム)、穀物(米、小麦、大麦)、甘味のくだもの(バナナ、マンゴ)、野菜(ニンジン、さつまいも、ビーツ)

新型コロナウィルスの蔓延で不安感や恐怖心が強い今、ヴァータが乱れやすくなります。甘味の食品を適切に摂り入れると、体力の強化とともに心も落ち着きます。さつまいもやカボシャのスープがいいかも。ただ、甘味の摂り過ぎ、とくに砂糖は禁物です。腸を汚し、ウィルスが好む体内環境を作ってしまいます。

酸味(アムラ)

酸味は食欲を増し、消化を促進し、体を温めます。一方、摂りすぎると、消化不良、胃酸過多、潰瘍を起こします。酸味はヴァータを鎮め、ピッタとカファを増やします。

酸味の食品の例:柑橘類(レモン、ライム)、酸味の強い乳製品(ヨーグルト、チーズ、サワークリーム)、発酵食品(酢、ピクルス、醤油)など。

3月はカファが増えるシーズンです。いまの季節には酸味の強い乳製品や酢・ピクルスなどを控えたほうがいいです。オレンジは柑橘類であっても酸味が薄いので、食べてもいいです。ウィルス対応にはオレンジがいいと言われています。

塩味(ラヴァナ)

塩味は温性、重性です。少量の摂取はエネルギーを与え、成長を促し、体内の水分を適切に保持します。一方、塩の摂りすぎは高血圧、浮腫、潰瘍、胃酸過多を引き起こします。塩味はピッタとカファを増やし、ヴァータを減らします。

塩味の食品の例:海水塩、岩塩、海藻、塩を使った食品

ウィルス感染を防ぐためには消化力が高いことが大事です。アグニ(消化の火)が強ければアーマ(体内毒素)をつくりません。消化力の弱いヴァータの人が消化力を強めたいときには適切な塩分をとるといいです。一方、いつも消化力が弱いカファ体質の人は、多めの塩分摂取は禁物。運動が大事です。

辛味(カトゥ)

辛味は熱性、軽性、乾燥性です。消化と循環を促し、脂肪を排出します。過剰に辛味を摂りすぎると、炎症、いらいら、下痢、胸やけ、吐き気を引き起こします。辛味はヴァータとピッタを増やす一方、脂肪を減らすためカファを減らします。

辛味の食品の例:トウガラシ、にんにく、ネギ、黒コショウ、ヒング、ショウガ

辛味の代表はショウガ、黒コショウ、ナガコショウ。これらを同量混ぜたものが「トリカトゥ」です。トリカトゥはウィルス対策によいとされています。トリカトゥはアーマも除去してくれます。アーマを取り除いてくれるのでウィルスを寄せつけないのです。

苦味(ティクタ)

苦味は冷性、軽性、乾燥性です。苦味を摂りすぎると、体力低下、疲労、めまいを引き起こします。苦味はヴァータを増やし、ピッタとカファを減らします。熱がこもりやすいピッタの人にいいですね。消化を促進し、肝臓の働きを強めます。

苦味の食品の例:葉野菜、野菜、コーヒー、紅茶、ゴーヤ、アロエベラ

苦味の代表はニーム。ニームの葉はむちゃむちゃ苦いです。ニームはウィルスの外殻を破壊する効果があると言われています。ニームはあまりにも苦いので害虫も寄りつきません。

渋味(カシャヤ)

渋味は冷性、乾燥性、重性です。消化吸収を助け、抗炎症作用があります。摂りすぎは便秘や循環不良を起こします。渋味はヴァータを増やし、ピッタとカファを減らします。

渋味の食品の例:豆類、ざくろ、梨、りんご、ドライフルーツ、ブロッコリー、カリフラワー、かぶ、ライ麦、そば、キノア、コーヒー紅茶、緑茶。

炎症はピッタ性の不調。渋味はピッタを鎮めるので、体のどこかに炎症を持っている人は渋みの食べ物を摂るとよいでしょう。ザクロは抗炎症作用があります。りんごや緑茶は抗酸化作用に優れ、結果的に炎症を弱めます。

ジヴァジャパン・アーユルヴェーダ・オンラインカレッジ

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